朝めしクロワッサン 25(僕もキミと同じなんだ)
翌朝、孝政は自分のものでないベッドの上で目を覚ました。痛む頭をそろそろ動かすと、ベッドの隣に座っている佳世の後ろ頭が見えた。自分のイメージでは跳ね起きたのだが、もそっと上体を起こして再び倒れただけだった。
その様子に佳世が振り返る。
「おはよう鈴木くん」
読んでいた雑誌を置いて立ち上がる。
「コーヒー淹れようか?ウーロン茶がいい?」
「うう…ウーロン茶…」
どうして自分は佳世の部屋の、しかも彼女のベッドで寝ているのだろう?昨夜、何かあったのだろうか?せっかくの事実上の初夜を、俺は憶えてないんだろうか?!
冷たいウーロン茶を渡してくれながら、佳世が笑う。
「どこまでなら憶えてるの?」
昨夜は…さよりと焼き鳥屋で…そんで…伊倉はいつ来たんだ?
そういえば、さよりが先に帰ったような。伊倉が隣にいたような…そんで…
何かあったのかあああッ?!
「それで全部よ 鈴木くんすぐ寝ちゃったから」
「…あ ホント?ごめんな 色々迷惑かけて」
「ホントにねっ」
佳世の声が少し不機嫌だ。
やべえ。あんなこと言ってるけど…俺、酔った勢いで襲ったりしたのかな?無理矢理やっちゃおうとしたとか?だって俺Tシャツとパンツだし。まさか伊倉が脱がせるとは思えないから、自分で脱いだんだよな?
自分で脱いだんだよ、孝政っ!
「あの…伊倉 俺~‥まさか襲ったりとかは‥」
「そんなことしてませんっ!」
なぜか睨まれてしまった。
□□□
佳世のことが気になりながらも、孝政は自分のうちに帰った。康友は一人でいた。
「おかえり 孝政くん」
「…ただいま…」
「佐用子さんには はっきり言ったよ
僕は彼女とお付き合いしてるつもりはなかったから…
彼女もわかってくれたし 孝政くんは気にしなくていいよ」
「そっか…うん」
佐用子のことだから、ちゃんと事実だけを伝えれば納得してくれるのだろう。
「……」
わけもわからず佳世に睨まれているのも気まずかったが、うちに帰っても気まずい。昨日、康友にぶちまけてしまったことを後悔している。父親は真面目な男だから、多少なりともショックだったに違いない。彼はきっと孝政が本当に自分を慕って息子になってくれたと思っていたのだろう。だが、当時の孝政は康友の存在や立場を利用したも同然なのだ。
「ねえ孝政くん」
「はい‥」
「昨日のことも お互い気にしないでおこうよ」
「‥お互い‥って?」
「僕もキミと同じなんだ」
同じ?同じとは、どういうことだ?
「‥キミを引き取ったのは さよりさんと切れないためだったんだ」
「‥え?」
今度は孝政が驚く番だ。
「そのための人質だったんだよ‥」
(ええっ!そ‥そんなにホレとったんか!康友くんっ
つーか、この佐用子の扱いはどうだろう‥かわいそうくないか?
彼女の幸せを、祈ってあげてくださいm(_ _)m←無責任‥だって大田分だもん♪)
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コメント
孝政くんも、康友さんも
そういいつつ、10年もやってこれたんだし、
それって、やっぱ「愛」よね。
さよりんを間に入れてさあ。
正直に言い合ってへこみあって、
それってすごく感動よ。
ヒューマンドラマっ!
んっ??でも、それでいいのかっ!
大田分兄ちゃんっ!
投稿: あかつき涼 | 2009年7月 6日 (月) 20時16分
あ~‥ヒューマンドラマ‥いつか書けたらいいなあ。
ちょっと、人生ぼ~‥っと生きてきすぎちゃったから。無理無理。
それにしても、さすがです!
涼姉さん!
ちゃんと行間を読んでくださったんですね!
あ!いや‥真面目にラブコメ書くよ!
投稿: 大田分 | 2009年7月 7日 (火) 00時13分
いいの?!佐用子さん、それで納得しちゃってっ!!
なんて、いい人…(。>0<。)
でも、やっぱり康友さんとさよりさんのお互いを想う深い愛情には、完敗ですかね…
でも大丈夫よ!佐用子さん!!あなたにはもっといい男をきっと大田分さんが探してくれるわっ(笑)
それにしても康友さんってば、なかなかやってくれますね
って違う…?!
でも最初はそうかもだけど、今では2人ともお互い大切な存在に変わってきてるんですよね。きっと。ええ話や…
投稿: 百瀬朝海 | 2009年7月 7日 (火) 11時17分
佐用子さんは、たとえ自分は好きでも相手の気持ちが自分にないとわかれば、さっさと引くでしょうね。引止めたってしょうがないもん。
(なぜかすごく理解できるんですけど。もしかして私佐用子タイプ?)
康友さんがタカ君を人質に、ってのもすごく人間的でいいなあ。
自分を捨てた女の(他の男の)子供を育てるなんて、男の繁殖本能からいっても矛盾してるもんね。
なんか安心しちゃった!
康友さんの株相場、値上がりしました。
投稿: みわっち | 2009年7月 7日 (火) 13時36分
百瀬さん
佐用子には‥自分で見つけてもらいますっ( ̄◆ ̄;)
本当は、あまりこのへんを詳しく書く予定にしてなかったので
作者自身も深くは考えてなかったんですよ‥。
でも、どっちかと言うと
「ええ話」です!
…てことで…(^^;;
投稿: 大田分 | 2009年7月 7日 (火) 19時43分
みわっちさん
ああ…鋭いとこをナイスな解釈してくれて、すみませんっ。
まあ、最初に孝政と康友が会った時、すでに小学六年だったということで
孝政の個人を認めたのでは…あ~‥う~‥
とにかく!そんだけさよりが好きだったんだねっ\(;゚∇゚)/
投稿: 大田分 | 2009年7月 7日 (火) 19時49分