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星と月の明日 17(一番食べてもらいたい人だから)

 店を閉め、片付けも終わった頃、山沖は折れそうな心を何とか励まし事務所を出た。休憩室には本田と福本がいた。

「山沖さんお疲れっす」

「ああ 今日は…迷惑かけてすまなかったね」

「いえ 俺らは別に なんか大変そうすね」

「うん もう落ち着いたから 星野くんは 帰りましたか?」

「さっき パン工房にいましたよ」

教えられてパン工房に行くと、薄暗い中に私服に着替えた海音がひっそりと立っていた。

「…星野くん…」

呼ばれてびくりと振り返る。

「あ 山沖さん…」

「今日は 本当にすまなかった キミに嫌な思いをさせてしまって」

「いいんです あたしの方こそ」

「キミは何も悪くないよ」

山沖の言葉に、海音はかすかに首を横に振る。

「あまねちゃんとは…」

「大丈夫だよ これからも今まで通り会えるから」

弁護士の話を要約すると、やはりあまねの気持ちを一番に考慮すれば、山沖に会わせないわけにはいかないということだった。今後このようなことがあったり子供に何かあった場合は、それ以後の面会の回数を減らすか、美波の母が同席することを考えているらしい。

あまねに会えればいい。元気に成長していることを確認できればいい。

俺は、あまねの人生に…ちょこっとだけ関わっていられればいいんだ。

「よかった…」

もう、二人ともお互いにかける言葉が見当たらない。

おそらく、気持ちを打ち明けあうこともないと思う。

「あの 山沖さん これ」

海音が作業台に置いてあった紙袋を差し出す。いつも手作りのパンを入れてくれる袋だ。

「あまねちゃんが 初めて作ったパンです

 食べてあげてください」

ようやくそれだけ言えて、海音はぺこりと頭を下げるとパン工房を出て行く。

袋を開けると、中には不恰好な菓子パンが何個か入っていた。

こんな時でなければ、あのままあまねと海音と三人で焼き立てを食べることができたなら、それはどれほど愛しい時間になっただろうか。

パンの袋を握り締める。あんなことがあってもまだ、自分とあまねのことを気遣ってくれる海音に、自分はお決まりの謝罪の言葉しかかけてやる事が出来ない。彼女がどんなに傷ついているかわかっているのに。

「星野くん…いっそ 愛想尽かしてくれよ」

海音はいつも「一番食べてもらいたい人」のことを考えている。本田のガレット・デ・ロワ。あまねの作ったパン。その人のことを想って作ったのだから、本人に食べてもらわないと料理もデザートもパンもかわいそうだ。

あの日、スフレを焼き上げることは叶わなかった。だから、せめてパンだけでも山沖に食べてもらわなければ。そう思って、厨房のオーブンを借りて焼いたのだ。

食べてあげてください。

本当は、お父さんといっしょに食べたかったパンなんです。

自分は…

もう山沖のことを想ってパンを焼いてはいけないのだろうか。

あんな小さな子供にも、自分の気持ちは知られていた。あまねにあんなことを言わせてしまった。

こんな気持ち、やっぱり彼にとって迷惑なだけなのかもしれない。

海音は、振り切るように足早に駅までの道を歩いた。

「山沖さん…いっそ クビにしてください あたしなんか」

(ここが最深部ですから!
 これからはゆるやかにラブコメへと流れていきますから!
 ご都合主義炸裂させますからあっ!щ(゚Д゚щ)カモォォォン
 ご都合主義サイコーッ!ベイベーっ!(`Д´)/…って、ヤケになっちゃいけないな。)

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コメント

切ない。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。今、自分がテンション下がってるから余計に泣きたくなりましたsweat02

次回、楽しみにしていますね♪しかし、カモンって。
ベイベーって、そっちで笑っちゃった。

投稿: 美月 | 2009年11月 4日 (水) 23時53分

ごめんなさいっ!
テンション下がってるんですか?
何か、疲れてるのかな?
ラブコメ復活させますから、また寄ってみてください。
こんな作者コメントでも…美月さんが笑顔になってくれてよかったぜ、ベイベーっ!good

投稿: 大田分 | 2009年11月 5日 (木) 20時34分

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